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2013年07月04日
広告撮影のレタッチとは?
 撮影50パーセント、レタッチ50パーセントがAVESTUDIOの基本スタイルです。どちらかに比率が片寄ることはありますが、会場、モデル、イメージ、料理等、すべてにその作業は入ります。
 
 レタッチは何かを消す作業と思われがちですが、昔のフィルムと同じく撮影後の現像から始まるため、RAWデータから紙面で映えるように色作りをしていきます。私の個人的な意見では、JPEGの色は素晴らしい方向性を持っています。各カメラ会社もアマチュアが撮影して満足いく仕上がりを求めて発色傾向を作っています。
 
 私の撮影では、露光差のある被写体の描写を求められ、特定の色を強調し特定の色を落とす、木の質感を描写し、曇りや雨の時に晴天の雰囲気を出す、外光の差し込みにくい窓のある会場の窓からの光を強める。そんなことがオーダーされるため、それに対応出来るクルー達、機材群、撮影方法、レタッチが必要になります。
 常時車2台分の機材と共に現場に現れるため、初めての撮影現場ではとんでもなく驚かれます。
 
 多くのクライアント先で撮影していると、みんな何らかのハード面での問題を抱えておられます。防音のための二重窓による景色のくすみ、張り出した柱、壁、経年による壁や床の痛み、その他たくさんの悩みを打ち明けられます。普段よく見ておられるからこそ、課題となり見えておられます。そんなことをいまではパソコンでクリアに出来ます。出来ないことはないと言えるのですが、撮影でそれらをどうレタッチをしていくかを考えて撮影しなければ墓穴をほります。
 
 今回は比較的簡単な上下結合の話をします。
 カメラの画角には制限があり、たくさん画面に入れたいと広角レンズを選ぶと描きたい真ん中側の被写体が小さく、遠くなります。そんな時に上下結合を選び、カメラで写せる範囲を広めます。
 下画像を撮影し、カメラを上振りにして上画像を撮ります。それをパソコンで繋ぎ合わせるだけなのですが、レンズ補正をかけて切れてしまう範囲を予測して数ミリワイドに上下どちらかの画像を撮影します。また、どちらの画像を撮影する際にもLightingをします。結合ラインを決め出来るだけ込み入ったラインを避けてイメージします。それをパソコン上でレンズ補正で垂直にし結合し、最後に必要なレンズ補正をかけています。コース料理の撮影でも被写界深度を補うためによく使います。
 
 レタッチをカメラマン自身がやるケースは技術的マイナスもありますが、素材を撮ることで言えばプラスです。N.Yの友人が話していましたが、ジョイントでの撮影現場が理想です。


((上下結合))
 002.jpg

神戸旧居留地ORIENTAL HOTEL