件数は少ないのだが、時々客室を撮る。いつも大物を撮っているせいでワーキングスペースのなさにカメラのアングルを決める段階での難しさを感じる。広く撮影をすることは難しくはないが、写真的に描きたいものがぼやけてくる。無機質な天井もカットしたいが、天井高の高い客室は殆どない。絨毯と壁とベッド。この三つが部屋の雰囲気をおおよそ決めている客室は、何を打ち出したいか、でのバランスを決めた外枠を決めてからLightingを考えている。
普段は結果のイメージを描き、それに合わせて組み立てていくが、客室に関しては外枠を作り、中の物にLightingで雰囲気を作る二段階で組み立てをしていく。
添付の写真のように強い逆光下で、またレースのカーテンを閉めて撮るという珍しい状況下で色を鮮やかに出すLightingが必要なため、ストロボ5灯で光を回さないイメージで作っていた。
客室撮影は売り上げに直結している。たくさんあるホテルの中からこのホテルに泊まる、と決める要因は何だろう。外資のようなネームバリューセレクトはあるが、ビジネス、家族旅行で選ぶ時は価格と写真のバランスだと感じる。当たり前の事が実は出来ていない事が多く、清潔感、明るさ、もしくは価格以上の高級感をしっかりと写し出せれば、と考える。
今回の話のコアはここにあります。
撮り手が写真の使用目的とそれに伴うイメージを作る事、それが毎日変わる被写体に結果を残していくもの。いい写真と意図的な考えの元に創られた写真は種類が違います。私も数多くの出張での宿泊先はネットから選びます。相手の側からの見方は何よりも大切です。
リーガロイヤルホテル京都