暑い暑いと報道されていた越谷市での撮影だった。覚悟していたらバンケットの撮影二つで、クーラーの効いた中で涼しく仕事。
今回の撮影は直射日光との調和と窓の見え方が焦点の、あまり無いイメージを必要とした撮影だった。天窓から降りそそぐ夏の日射しは、会場内を鮮やかに照らし出すと共に強い影を落とす。開け放たれた窓からは青い空と青いプール。白と黒で構成された会場内は大人の空間。私の最初に感じたことは、きっと写真よりも目で見た方がこの会場の良さは伝わるだろうということだった。
広さ感やLightingによる見え方の変化よりもやや見た目に近い状態の写真を作ることをイメージし、空間の描写をする事にした。
問題は二つ。直射日光を手なずけることと、レンズを通すと小さく、また平面的に圧縮される窓外の描き方。
今回の話のコアはここにあります。
カメラを通すと現れる現象はプラスも多い反面、マイナスも当然あります。マイナスでいえばレンズの歪みや一枚の紙のように圧縮されることや、画面の枠があることです。人間の眼は素晴らしく、露光差までも自然に描きます。写真で見た目のよさを伝える事がどれほど難しいかを何年も課題として考え悩んできました。
この会場は天窓を閉める事が出来たので、閉めて見て見ましたがやはり広告紙面では陽射しによる解放感を優先した方が良く、部分的に日射しを和らげ、それに14灯位のライトをMIXさせグラデーションを作ります。直射日光を必要な分だけ残しながらの調和をイメージしました。窓外は色の濃さにより雰囲気が大きく変わるデジタル写真の特性を利用し、目が外に向かうようにイメージしました。
単に写真の技術的な範疇の外にある心理的な内容を加味していく事が私の撮影スタイルです。いい写真とある種の結果を導く写真は違うものです。
ヴェルヴィギャザホール