私はスローシャッターが得意です。特にフィルム時代の写真家の殆どはスローシャッターの優位性と必要性を感じ努力をされて来たと思います。デジカメになり増感は容易く、カメラに4絞り分の手ブレ補正があり、そんな時代のカメラマンにスローシャッターは不必要な技術になった感もあります。ISO12500?そんな信じられない感度を普通に使えるデジカメ、躊躇なく使うカメラマンに驚くことばかりです。
今更何でスローの練習が必要なんですか?
確かに!!そう言ってしまいがちですが、スローは歴然とした技術です。またスローシャッターを学んで行く過程で知る優位性は様々なジャンルの写真を撮る時、また緊急時にも応用の幅は格段に広くなります。時代遅れ?とんでもない!
最先端です。実は私のブライダル広告写真にはスローの技術が軸となっています。スローになるのではなく、スローにしているんです。本番撮影を始めてから30分間本番を切っていたりします。積み重ねられた技術を惜しげも無く出さなければ満足のいく結果は得られません。
今回の話のコアはここにあります。
スローシャッターは自分に様々な利益をもたらせてくれます。私がブライダルを撮影していた頃シャープネスを下げて撮影していました。確実に止まっているからこそ軟焦点の写真にはなりません。ストロボのシャープさとは違う鮮明さです。2分の1、4分の1の速度を止める努力をしてきたからこそ出来るブレ感を使う表現、その場の雰囲気を壊さない描写、瞬間的な対応力、何よりも止められる自信が撮影の幅を広げます。
今更スローシャッター?そんな声もあると思いますが、止められること、それに付随して使える技術の楽しさ、また付加価値として写真に現れてくるシャープさ。
私は止めるために多くの時間を割いて来ました。これをご覧になられた方是非勝負しましょう(笑)。私は楽しみながら身に付ける事が何よりも好きです。