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2013年11月19日
広告写真のレタッチ 昼を夕景に
 想像外の事はいつでも起きます。モデルのイアナが東京に電車で帰ります。少し主要都市から離れた松坂の撮影だったため、夏の太陽が沈まない時間に夕景のイメージを撮影する事になりました。レタッチはこんな時威力を発揮します。
 空を青空にしたり、何かを消したりと思われがちですが、こういったレタッチは撮影者の意図、イメージが明確でそれに伴った撮影方法が大切になります。実はそんな難しいことではないのですが、私の場合、現像→レタッチ→現像→レタッチ→現像という様に画像を合わせていきながらイメージに近づけています。その場の状況の答えがないこのような撮影の時、予備画像をよく作ります。頭の中で組み立ながら撮影はしているのですが稀に困る事態もあります。特に撮影後のレタッチで完成をさせる時は多少時間が掛かっても明暗、明暗比を変えたもの、照明比を変えたもの、光の方向性を変えたもの等、使わない可能性の画像を撮影しておくことが多いです。
 レタッチの必要性は今更なのですが、素材としての写真を撮ることが前提にもなるため、カメラマンもレタッチを理解して撮影に望む方が間違いはないと思います。
 今回の話のコアはここにあります。
 一発撮りの写真は大好きです。ブライダル広告写真は被写体によってはそれで撮影出来ない場合があります。クライアントのイメージするもの、表現したいもの、一発撮りで不可能な時、多多発生します。そんな時いつも思います。自分がしてきた努力を試されている。
 でもそういう時代に入っている事は確かで、広告写真がレタッチによりカメラマンやクライアントのイメージになっている事も事実です。私はポジ出身の為一発撮りに必死になって来ました。でも今はデジタル時代です。
 暗い夕景の写真イメージであれば黒布で窓を覆い光を遮断する、モデルを撮影し日没後室内を撮影する、ストロボにカラーフィルターをつけハイスピードシンクロをする、考えられる方法は幾つもあります。
 発想を現実にデータに変えるにはレタッチを知る勉強が必須となります。
 私は、逆光の夕景をイメージし明るめの夕景を入れる方法を選びました。ブライダル広告の写真として暗い夕景を避けたかったからです。

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