丁度二か月前、パノラマ撮影をした。苦手な横パノラマ撮影。縦の結合は問題にはならず、常用出来る技術だが、横パノラマは難しい。ソフトなどでは対応出来ない複雑な撮影のため、この時代に手動でやる羽目になる。今回の撮影で使用したデータの枚数は21枚を超える。中央画像、左画像、右画像を作成した後、中央画像に付け足していくのだが、高砂越しの写真のため、高砂が左右の画像に不足が出てしまうこと、卓の水平のパースが合わないこと、結合ラインに事前に明確な答えが出ないこと、それらが二か月前の撮影では問題だった。
クライアントからのオーダーは難しくなって来ている。しかしこの先の広告写真の時代を思えば今より難度が高まることは間違いなく、それらに対応する力を身に付けなくてはならない。カメラが恐ろしい速さで進歩してもそれを使って描き出す事に変わりはなく、その段階段階でやるべきことをやれるように、と思う。ついていけない、その一言は口にしたくはないといつも思う。
21枚以上の写真から3枚の画像を仕上げ、中央は20ミリ、左右は16ミリで撮影、左右撮影時に感覚で高砂を回転させパースを合わせた。結合ラインがどこになるか不安定だったので結合ライン近辺にくる被写体には複数回ライティングをして保険をかけた。Photoshop上で高砂の位置は前回苦しんだお陰でもありかなりいい位置に来ており、この手のレタッチにしてはスムーズに進められた。
引きさえあれば自動処理でも納得のいく結果は得られる場合はあるがヒキのない場所からのパノラマ撮影は湾曲が強く残り、手動でやる羽目になる。
今回の話のコアはここにあります。
反省をする事、成功のイメージをする事、やって見る事。
自分の力でやらなければ撮影時にこうすれば出来る、とイメージが湧かない。悩み苦しんだ時間が自分の技術を伸ばして行く。今回の撮影での反省は完成形に不安を持ったままの撮影に挑んだ事。その他にも幾つかあるが、それらを次回の撮影までに解析しておきたい。結局この写真の完成には4時間費やしてしまった。ボーダーラインとしている撮影時間を超えてしまっていた。
ベルヴィ アズグレイス様