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2014年06月16日
Monterey Osaka様 広告撮影
  JRの高架に面したそのホテルはヨーロッパ調の鮮やかな色を纏った優雅なホテルである。人の行き交う場所でもあり、大阪の中では整然とした街並みの中にある。
実は数年前、何度か撮影をしているこのホテルで外観の話が出た。
建物は14階建て、Roofの部分を入れれば約16階くらいだろうか。横幅は縦幅と同じ位の正方形にも見て取れる壮大さで、深い青空との共存がとても綺麗だった。
だが、斜めからのアングルしかない。正面はカメラの引きがない。約10メートル。このような状況に直面することがよくある。色々試してみたがどう撮り分けるのかを決めてから撮る。でなければ足りないものが出てくる羽目になる。
 
 ここ数年の仕事で写真を撮る仕事とレタッチをする仕事が50:50になっている。 いいことなのか、そうではないのかは分からないが双方を知っている分、決断は速い。正面からのアングルが撮影出来ていなかった為に、今回もとにかく一度は言ってみよう、とクライアントは考え、それを聞いた私はやれるだけやってみようと思った。違うシチュエーションで類似のケースを数々行って来たため、こうすれば良いという方法は組み立ててから望んだ。
仕上がりは必要な寸法からすればやや縦長の6:4位の比率。
カメラは縦位置。横位置で積み重ねていく方法もあるが横位置では欠ける部分があるため縦位置で行った。正面、左右平行移動をして、露光差の保険をかけてブラケットで撮影。左右からひずみを利用して更に左右振りをして最後に地面を撮影した。これで必要な素材はカバーされているが空の面積が足りない。空はグラデーションを整える時間より空の画像を足すことにした。PhotoShopでベース画像を作り丁寧にパースを整え、イメージは黄色と青のはっきりとしたものを軸に、海外にあるホテルをイメージしている。
 
 今回の話しのコアはここにあります。
レタッチの技術みたいなもの、またはレタッチにより綺麗に変わっていくことに対して甘えないでいたいと思います。やはり撮影に比重をおいた環境で、元の写真がしっかりとしたイメージに基づいて撮影されていなければ結果は訴求力のないものになります。一枚に全てを込めた写真が素晴らしいことに疑いはありません。
 
 私の場合はクライアントの意向、撮影の技術的な限界を引き上げるものがレタッチの必要性だと思っているため、必要不可欠なものとなりました。
以前から言い続けていますが、イメージを明確にすることです。どんな写真が撮りたいのか、それについて何が嫌か、だからどうするのか。
 スタッフにはDND理論として教えています。フロック的な写真の結果に対して私は運が良かった、と言います。運も実力の内、と言われますが続けて運は来ません。大切なのはどんな状況でも素晴らしい結果を残せる事だと思っています。
 
 そうなれるように。

 050.jpg

Monterey Osaka
direction: Lei wedding