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2014年07月14日
アルモニーヴィラ様 広告撮影
 愛知県で唯一海岸のある地区らしい。車2台で京都から移動したが確かに愛知のイメージとは少し違う感じだった。やや郊外の雰囲気の中、複数のウエディング施設が立ち並んでいる。
目当ての会場の隣にある会場に入りそうになった私はあまりの隣接立地に驚いた。私が撮影をする会場で私の目的は新規来館を増やすことに尽きる。以前からこの会場は複数のカメラマンが撮影をしている。外人モデルで綺麗な青空の下華やかなコーディネートでも撮影されている。夕陽の中の綺麗な写真もある。
その日の天気予報は雨だった。
 
期待虚しく強い雨と砂を巻き上げる強風に私はレタッチでも表現できないものをどうすればいいのかに悩んでいた。雨天に屋外で使用出来るライトも持ってきていたがモデルの部分は表現できても背景は荒天でしかなくリゾート感には無理があった。
 
また、80シーンを越える多量な撮影をしたがこの場所で撮られている写真は綺麗な晴天でしっかり残されているものばかりでさすがに残る結果に焦っていた。
 
2時間近い時間をディレクターの的確なジャッジにより組み替え、チャペル前での撮影に来た時、まだ凄まじい風と台風の様な空だった。そこから45分は待っただろうか、。奇跡的に強い風が台風のような空を弾き飛ばし、青空が出た。
そこから私は普段出さない速さで撮影を進めて行くことになる。
 
今回の話のコアはここにあります。
殆どの現場は一度のものです。そこで結果を残さなければいけないのがプロです。また、結果にクオリティを求められるのもまたプロです。もし荒れた天気の中でレタッチに頼る方法で撮影をしていれば結果は不本意なものとなります。ジャッジをする力。またせっかくの好転に遅い撮影スピードであればチャンスを逃すかもしれません。速さの練習。もうひとつ。予測による準備です。その時が来た時に撮影を始められる環境を考え、シミュレーションを繰り返しておくことです。
これらはブライダルの現場で培われました。この写真は高めの太陽を白い床がレフとなっているためライトもレフもありません。何もしなくても綺麗でした。以前のカメラマンが撮影されたアングルではないアングルで大階段の広がりを出すため16㎜で寄って撮影をしています。
 
このアングルに行き着くまでに20パターン位の座標変更をしています。建物の大きさ、形状、ガーデンの広がり、プールの%、モデルの%、階段の大きさ、バージンロードの流れる角度、レンズ㎜数と距離による圧縮の度合いなどで変更を繰り返しました。荒天の時間があったため青空が来るまで余裕があったんです。
 
こんな気持ちの良い結婚式場でリゾート感溢れる写真が残せて、美味しい料理とお酒で仲間や家族と大切な時間を過ごせれば素敵な記憶です。
販促用の写真であっても、実際のお二人の写真であっても変わらないものはその瞬間を止める、ということです。
 
レタッチも好きで必要ですが、写真を撮る時にはこの事を大切に撮って行きたいと思います。

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HARMONIE VILLA
Direction:Lei wedding/Styling:Atelier 78/ model:AIRI_Junior(ILLIA)