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2014年08月20日
リビエラ青山様広告撮影
 モダンと言うべきかスゴイ天井だと改めて見て思う。広告媒体に掲載する写真はその場所でのイメージを伝える、その場所での洗練されたパーティーをコーディネートして見せる、ハードの良さやハードの空気感を伝える、等何かにつけて伝えるものが不可欠となる。
 
もう何年も撮影に来ているが天井の柄を主張しないように画面下に目を引き寄せる事が大切であり、難しかった。
やり方はいくつかある。窓に寄って広角、窓から離れて圧縮、カメラ位置を上げて下振り、そんなところだろう。今回は卓数も必要不可欠だったため圧縮を選んだ。やや高めのポジションから外枠を決めテーブルを配置していく。
 
コーディネートはSmile DCさんであるため爽やかさを持つエレガントなコーディネートがどこから見ても綺麗だった。Smile DCさんとも長い付き合いで仕事をしているがいつも新しいことに取り組まれることと、導き出される結果にため息が出る位の美しさに驚かされる。また、色について深いイメージがあり撮影もより大変な事となる。バンケット自体が広く窓からの光が届きにくい。ライティングによりテーブルをクリアに見せることで陰影が生まれる。
 
私は編み出した技でまろやかに陰影を付けて行く方法を選んだ。光を当てながら強い影を出さない。総2キロW/Sの光量で大掛かりなものとなった。私のバンケット撮影はすぐに分かる。グラスとテーブルの天板を光らせているからである。この二つをどう光らせるかが私の中では大切な技術だと思っている。拡大をして見た時、その違いは分かる。この写真では奥にある緑をレタッチで適正に戻しているためグラデーションで落としていくのでややハイライトは弱まっているがほぼイメージ通りの描写が出来ている。
 
今回の話のコアはここにあります。
私は基本の型は持っていますが必ず変化させて作って行きます。その場の雰囲気、ディレクション、お花の高さや色で全ては変わります。一発芸の芸人がいますがそれだけでは戦えないのです。勿論プロは引き出しをたくさん持っています。その引き出しの数の多さはギリギリまで攻めた経験、悩みのトンネルを長く歩いてきた過去、そう言ったものにより作られていきます。
 
昔ブライダルを撮影していた時、セルフタイマーをかけて3m位の高さに投げて撮影をしたい衝動にかられたことが何度もあります。その後のことを考え結局やらなかったのですが、イメージを形にする力、それがまたイメージなんです。たくさんの人が私の写真を見て、ここに行こう!と思って欲しいとイメージします。
 
だからまたそれを具体化するイメージに向き合います。
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