もう7、8年になるだろうか。毎年撮影している。今年は三日間だった。この会場はヨーロピアンテイストで様々なニーズに合う会場が作られている。
この部屋はロワールといい、7つのバンケットの中で一番アダルトな会場である。撮影自体は難しいわけではないがどこまでの陰影に仕上げて行くのかをまずイメージしなくてはならない。そこそこなのか、かなりなのか、もしくは混在させるのかバンケットの中でイメージを頭で作る。
流しのセッティングが動かせない状態であったため正面から撮れば重なりで流しのコーディネートが隠れるため、やや斜めを選択した。テーブルの上の木の大きい広がりがあるためライトは高めのやや逆光で入れている。
20灯を越えるライトを入れることとなり調和に注意をして設置していく。会場にはスポットがあるが余分な場所にまで光がこぼれるため設置を選んでいる。ダークなテーブルクロスもほのかに写るベースの光を作り、ハイライトを入れることで立体感を出している。光を足せば周りは沈んでいくため照射の秒数と室内ダウンライトの調光で光の比率を変えた。
私の撮影には決まった型がない。これだけは胸を張れるが発想で組み立てている事が多い。こうしたい、こうすれば思い描いたイメージ通りになる、と思ったことを具体化していく。勿論常々書いている通りプロはそうするものなのだが頭で作るイメージの弱い人もいる。そのことが答えとして出るバックモニターを見てそれを誌面とイメージ出来ずにバランスの悪さや表現できていないものに気付かない。
私は第三者の目で見ている。これで本当にいいのかどうかを見ている。カメラの高さは私の中では最重要であり、本番直前まで調整している。後処理で補正量による画面の切れ方も考えているべき。当たり前の事だがこの空間の撮影は一つずつの組み立てであるといつも思う。
今回の話のコアはここにあります。
商店建築で有名Nakasa & Partnersさんの撮影クルーとよく同じ現場になります。彼らは施設の写真を撮影され、私はブライダル用の施設を撮影しています。その撮影のスタイルが大好きで、また私は昼間に、彼らは夕方から明け方に撮影時間が組まれていることが多く、いつもその熱心さと組み立てられて行くイメージを側で感じ感心させられることばかりです。
一年中撮影に出ているといっていいくらいの彼らの撮影量の多さはまだまだ自分の甘さを感じます。自分の撮影をしている空気に彼らと同じようなひたむきさがあるのかどうか、第三者の目で自分を見て見たいと思います。一つ一つの組み立てと想像すれば仲佐さんのクルーを思い出します。今日も夜明けを撮影現場で見ていたのでしょうか。
どんな状況でも自分の仕事を的確にしてくるその凄さに私は惹かれます。
THE ROYAL CLASSIC HIMEJI
direction: Lei wedding