- 2014年10月15日
- 軽井沢エレガンス様 広告撮影
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絵を描いている。自分でよくそう思う。小さな頃から絵を描くことが好きで何度も賞を取っている。小学5年生だったと思う。図画工作の時間に絵を描けと言われ、勿論授業なのだが10分程度で描いた白と黒の世界、私の中では冬の連峰イメージだったのだが、わざと無機質に描いた絵に教師が青ともう一色位を塗ってしまいその絵を捨てた記憶がある。私の描く時間が早かったためなのか色を足せ、と言われていたような気がする。それから36年程経って私は写真とパソコンで絵を描いている。構図も大切だがライティングをする時どこにどんな光がどうきて欲しいのかをイメージしている。色のバランスや光のまろやかさ、エッジもイメージをする。イメージを強く持ちなさいと常々言い続けているが、絵をよく描いていた人間にはそれが強く感じる。エレガンス様の撮影はそんな感じだった。版権もありモデルの写真をほとんど載せてはいないがブライダルのモデル撮影は実は会場撮影よりも多い。大体がクライアントの意向、写真に入れておかなくてはならないものが第一となりなかなかモデルに寄れない。モデルの内面の表情とややぼけた背景で表現したいと思うこともなかなか依頼の中では難しく、このエレガンス様の撮影は割と自由にさせてもらえる珍しい現場だった。バンケットの横に庭がある。軽井沢らしい木々の間から柔らかな光が降り注いでいる。空気はまだ誰にも呼吸されたことのないような清潔な空気感だった。気持ちの良さが伝わってくれれば、と思う。私は軽井沢エレガンス様で、こんな絵を描いた。今回の話のコアはここにあります。この写真は645Zで撮影をしています。このカメラは久しぶりに撮影をしたいと思えるカメラでした。デジカメになってからの描写が私は嫌いでした。あのシャープさは絶対に好きになることはないでしょう。でも、このカメラは違うんです。超高解像度を持ちながら何故かまろやかさがあるんです。私は今は写真で絵を描きます。構図も光も遠近法も被写体のポージングも表情も全ては頭の中から湧き出るイメージに基づくもの。撮らされているのではなく、決められた事だけを実行するのでもなく、ましてやオーダー外の写真であっても私は描きたいと思うものは大切にしたいと思っています。この職業の醍醐味は仕事であっても創作にあるからです。昔色付けされたあの絵は、何がだめだったのだろう、と考えます。まだまだ勉強です。もの創りの世界で生きる人間にはPerfectなるものは存在しないんです。
ホテル軽井沢エレガンス
direction: Spice up Weddings
model:Alicia Matsumoto(elite)